ユニークQRコードの活用例。ビジネスに差がつく7つの事例を解説
ユニークQRコードとは、それぞれに別々の情報が格納された QRコードを指します。通常のQRコードと異なり、個々の利用シーンに対応するために生成されたコードです。
ユーザーむけに個別のコードを生成することで、顧客情報のスムーズな管理・連携施策につなげられます。さらに、1度だけ有効な QR コードを生成することによって、不正利用を防ぐことも可能です。
私たち高山印刷では、長年培ったバリアブル印刷技術と QR コードを組み合わせることで、ユニークQRコードの印刷物への活用に多数たずさわってきました。
→ バリアブル印刷とは?事例・仕組み・費用・注意点を徹底解説
この記事では、「お客様との関係構築」と「組織内での情報管理」それぞれの用途に役立つユニークQRコードの実例を紹介しています。本記事を読むことで、どのような場面でQRコードを活用できるか具体的なアイデアを得ることができます。
これらの事例を参考に、あなたのビジネスに役立てるアイディアを見つけてください!
目 次
お客様との関係構築に使うQRコード
新規顧客獲得や単価の向上など、ダイレクトに売上に影響するのが、お客様との関係構築にユニークQRコードを活用するケース。
QRコードを活用して、自社のユーザーや顧客との関係を新たに築いたり、さらに深める方法が、先進的なビジネスではよく使われています。
ここでは、4つのパターンを紹介します。
店舗やイベント会場でのリアル施策に使う
たくさんの人が訪れる店舗やイベント会場で、直接お客様に手渡しする印刷物に、ユニークQRコードを配置するパターンです。なかなか個人情報が取得しづらいリアル施策において、特典などと引き換えに、個人情報の提供をお願いできるというのが特徴です。
具体的には、私たちはこれまでに以下ようなユースケースでのユニーク QR コードの印刷をお手伝いしてきました。
抽選会(インスタントウィン)
ショッピングセンターなど大型の施設で多数のお客様を対象として行われる抽選会。
話題作りや集客効果はバツグンですが、旧来のように、ガラガラ手回しや掲示といったアナログ手法での抽選イベントには、設営やスタッフの配置に大きなコストがかかってしまいます。
そこで近年増えてきたのが、QR コードやシリアルコードが印刷されたくじ券だけを配布し、各自スマホから抽選に参加してもらうというものです。
抽選への参加や景品との引き換え時に、会員登録を促すことで、これまで取得できなかった個人情報を獲得して、顧客とのつながりを築いたり各種マーケティングに活用することができますね。
注意点として、QRコードの認知度や利用方法に関する説明が不十分な場合、顧客の利用が低くなる可能性があります。しかし、混雑や待ち時間を避けられるので、スマホに抵抗のないお客様の抽選参加率は高まるようです。
ギフト用・紹介用クーポン
店舗でお買い物をいただいく際にレジで配布するチケットにユニーク QR コードを配置し、お客様や、お客様から紹介された新規のお客様に対して、割引クーポンや特典などを提供するというキャンペーンもあります。
とある大手外食チェーン様では、特定メニューが無料でもらえるクーポン券をお会計時に配布するイベントを定期的に実施しており、この日はファンたちが行列して食べに来る一大行事となっています。
上記のケースでは、不正・悪用防止のため、1度のみ有効なユニークQRコードを印刷・配布することで、顧客満足とセキュリティを両立した施策となっています。
QR コードクーポンを配布する場合は、読み取り率を高めるためのルールに則った企画・デザインが必要です。以下の記事もあわせてご覧ください。
→ クーポン券を作りたい!プロが教える作成ノウハウとデザインのコツ
営業スタッフ名刺
展示会などで対応してくれた営業スタッフ。お客様としては、高額な商談を進めるか否か、もう少し営業担当者の人となりを知りたい、ということも多くあるでしょう。
個々のスタッフの SNS アカウントや、会社サイト内のスタッフ個人紹介ページなどに、QR コードから誘導してみると、お客様の方から関心を持ってくれるかもしれません。
営業担当の名刺に QR コードが掲載されていることはよくありますが、そのほとんどは会社のウェブサイトの URL に誘導するもの。
せっかく名刺という担当者それぞれに異なる紙面(これもバリアブル印刷です!)をお渡ししているのだから、そこに掲載する QR コードも、どうせなら個別最適化したいもの。
ユニークQRコードで一味違う名刺づくりができます。
店舗販売の商品に同梱する
通常、小売店舗で販売される商品はオンライン販売と異なり、最終購入者の情報が得られません。どんな人が買って使ってくれているのか、作り手としては、喉から手が出るほど欲しい情報ですよね。
これを解決する方法として、店舗で販売する商品に、ユニークなQRコードを配置・同梱する方法があります。
メーカー保証サービスへのオンライン登録促進
商品に同封したQRコードを使って保証サービスの登録を促します。これにより、メーカーと顧客の長期的なつながりを強化できます。
このとき、保証サービス登録ページの URL にただ誘導するだけではなく、個別の印刷物に割り振ったユニークなIDを含めたQRコードとしておくことで、実際にどんな商品を購入した方なのか、無理なく紐付けが可能になります。
保証サービス利用時に顧客情報がすぐに取得できるため、その後の修理対応時などにもスムーズになります。
商品アンケート
商品に同梱したアンケート用紙にQRコードを使って商品の使い心地などに関するアンケートに回答してもらい、回答者の情報を顧客管理システムに登録できます。
これにより、顧客のニーズに合わせた商品開発やマーケティング活動が可能になります。
このとき、QRコードをユニークにすることで、商品のSKU情報や商流・販売店などの流通経路の情報も含ませることもできます。
自社から販売されたどの商品が、どのような経路を辿って顧客の手元に届いたのか特定できます。これにより、流通経路の効率化や改善をはかれます。
ダイレクトメールなどの郵便物に入れる
お客様へのダイレクトメールやカタログ送付などをする企業は多いですが、そこに個別の情報を印刷したユニークなQRコードを配置する、というケースは、まだまだやっているところが少ないのではないでしょうか?
この手法により、以下のような効果が期待できます。
- 顧客情報などをもとに指定された個別のクーポン情報をQRコードで読み取ることで、提示されるオファーがお客様にとってより魅力的なものになる
- 郵便物に割り振られたIDと顧客情報が紐づくため、個別情報の追跡が容易になり、DM施策の効果測定に活かすことができる
個別 QR コードへのアクセス情報の追跡については、以下の記事もお読みください。
→ QRコードでアクセス解析。印刷物の効果測定をする方法を徹底解説(GA4編)
ただし、デメリットとして、QRコードが読み取れない場合や、顧客がQRコードに慣れていない場合、必要な情報を顧客に届けられないというリスクが考えられます。
QRコードからの誘導先にとても重要な情報を掲載しているという場合は、QRコード以外の方法でも閲覧する方法を添えておくことが必要です。
店頭POPに印刷する
飲食店の店頭のレジ横やテーブルなどの POP に QRコードが置いてあるのは、とても見慣れた光景になりましたね。
決済アプリの読取コードを案内したり、フリーWiFiのアクセスを案内したり、自社SNSへのフォロー・アプリ導入を誘導したり、卓上にオンラインメニューやモバイルオーダーができるシステムへのリンクを配置したりと、ユーザーにとっても飲食店のQRコードは身近で便利な存在です。
ただ、多くの店舗をチェーン展開している事業では、同じデザインとルールに則って、各店舗ごと、また場合によってはテーブルごとに異なる情報を持ったQRコードを用意する必要があります。このようなケースで、ユニークQRコードが力を発揮します。
たとえ数百、数千店舗といった規模の場合でも、各店舗の情報をもとにして、バリアブルなQR コードを共通のデザインで印刷することが可能です。
会社など組織の中での情報管理に使うQRコード
ここまでは、実際にお客様の手にわたるQRコードを中心に解説してきました。
ですが、元々QRコードは、製造業の生産管理のために組織内部で使われていたことをご存知でしょうか?
→ デンソーウェーブによる日本発の技術「QRコード」開発秘話(QRコードとバーコード、どちらを選ぶべき?それぞれの違いとメリット解説)
現在でもユニークQRコードは、組織内での情報管理でも活躍し、業務の省力化やサービスレベルの向上に役立っています。
ここでは、会社や学校などの組織内でユニークQRコードが使われる4つのケースについて解説します。
会員証・IDカードに配置する
学校、企業、ジムやシェアオフィスなどメンバーシップ制度があるビジネスでは、会員証やIDカードに独自のQRコードを印刷することで、内部において様々なメリットが得られます。
利用者ごとにユニークな QR コードを発行することで、入退室管理や、メンバーのステータス確認が効率的かつ簡単に行えます。
わざわざ氏名の確認などを行わなくても QRコードによる個人識別ができるため、セキュリティが向上し、情報の確認も迅速になります。
従来、このような用途ではバーコードが使われることが一般的でした。しかしながら、省スペースで格納できる情報も多いQRコードが活用されるケースが増えてきています。
セミナーやイベントのチケット・入場券に使う
100人を超える規模のイベントで威力を発揮するのが、来訪者ごとにユニークな ID が割り振られた QR コード入りのチケット・入場券。
従来のように、受付で該当のお名前を名簿から探してペンで印を入れる、などということをしなくても、出していただいたチケットにスマホをかざすだけで、誰が来場したか管理ができます。
当社では、食品卸業者様が例年主催される展示会での招待状へのユニーク QR コード印刷をお手伝いさせていただいており、受付時間が以前の 1/2 に圧縮できたという成果が上がっております。
→ 展示会の受付時間が、招待状の工夫で従来の半分以下に! 山一商事株式会社 様
受付での名前探しのような無意味な仕事ではなく、イベントに来てくれたお客さんにご挨拶をしたり要望を伺ったり、人間にしかできない価値ある仕事にリソースを割きたいですよね。
ちなみにこの方法、実は高価なシステムを導入しなくても、ある程度自力で作ることも可能です。ご興味のある方は、以下の記事もお読みください。
→ 無料で&自分で出来る!ユニークQRコードを使ったチケットでイベント入場者管理を行う方法
遺失物管理に使う
公共施設やショッピングセンターなどの人が集まる場所では、遺失物の管理が重要な課題となっています。その解決策の一つとして、ユニークQRコードの活用が進んでいることをご存知ですか?
落とし物が届け出られた場合、その特徴や発見された場所・時間、発見者の情報を全て管理しておき、持ち主の手に正確かつスムーズに返却する必要があります。しかしながら、1日に何十・何百個と遺失物が集まる大規模な施設では、手書きの台帳による管理では追いつかない部分もあるでしょう。
集まった落とし物ごとにそれぞれユニークな QR コードを付与することで、落とし物に紐づく情報は全てスマホで登録・管理・検索ができるようになります。
都心部のとあるショッピングモールでは、ユニークQRコードを導入して遺失物管理の効率化に成功し、大幅なスタッフの負担軽減に繋がったという報告がありました。
まとめ
お客様向けと組織内部向け、それぞれのユースケースで、ユニークQRコードが価値を発揮することをお分かりいただけたかと思います。
いずれのケースにも共通していえるのは、想定通りの用途を実現させるには、エラーなく読み取りやすい QR コードの印刷が不可欠ということ。
以下の注意事項も参照いただき、価値あるユニークQRコードをあなたのビジネスに活かしてくださいね!
→ サイズ・余白は大丈夫?印刷会社が教える、失敗しないQRコード印刷のポイント
この記事で紹介していないような用途でも、「こんなQRコードの印刷ってできますか?」というご相談も、どうぞお気軽にお寄せください。
投稿者
- 1999年入社時は当時貴重なMacに触れたくてDTPを担当、その後本社地区の営業担当を経て、2005年からは東京営業所長。
バリアブル印刷には初代オンデマンド印刷機導入時より、20年近く携わっており、専門分野としてあれこれ知識を貯めました。
お客様からの課題解決のため、社内で知恵を絞って対応しています。
プライベートでは1人息子と父子キャンプを楽しんでいます。
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